それっきり御曹司は
私が何を聞いても
返事してくれなくなった。
帰り道。
私はしつこく、御曹司に
聞き続けた。
希「ねぇ、どうしてダメなの?」
望「温泉旅行なんて行って
何が楽しいんだよ。
一緒に風呂入りたきゃ
家の風呂でいいだろ。」
希「そうゆう事じゃないよ。
知らない土地で2人で過ごす事に
意味があるんだよ!」
望「はぁ。」
御曹司は短くため息を吐くと
観念したかのように言った。
望「奈緒がこっちにいる間は
ここを離れる訳にはいかないんだ。」
希「どうして?」
望「旦那と何かあったんだと思う。」
希「何かって?」



