御曹司は少しだけ
いたずらっ子のような笑みを浮かべた。

望「試してみれば?」

希「え?」

望「今日、何食べる?」

希「えっと......じゃあ。あの店。」

私はあえて、御曹司が
嫌いそうな店を指差した。
御曹司は嫌いだけど
私好みのお店。

望「了解。」

希「待って!あの店
御曹司の嫌いな
騒がしい店だよ。
無理しなくていいよ。」

望「俺、彼女は甘やかす派だから。
ほら、行くぞ。」

そう言うと御曹司は左手を差し出した。

幸せだな。...彼女って
御曹司が言ってくれたから。

あー、私はちゃんと御曹司の
彼女なんだってそう思えた。