店を出た御曹司は小さな
ため息をついた。

望「変わったよな、希。」

希「え?」

望「俺の前では
大人しくなった。」

希「そうかな?」

望「初めの頃は、デートがつまんねぇだの
疲れただの、焼鳥屋に連れてけだの
プラネタリウムに行きたいだの
言ってたくせして最近では
何も言わなくなったもんな。」

希「...連れてけなんて言ってないけど。」

望「奈緒から聞いたぞ。
奈緒との事だって不安に
思ってるなら聞けば良かっただろ。」

希「...そうだね。」