エスポワール~私と御曹司~


考え事をしてたせいで
気付いた頃には料理が
まっ黒焦げになっていた。

分からないけど...涙が止まらなかった。

火を止め水道水で焦げを洗い流す。
こんな風に私のこのモヤモヤも
洗い流せればいいのに。

焦げくさい匂いが充満する部屋。
帰ってきたらビックリするかな?
余計な事するなって怒られるかな?

水道水の流れる音。
その音の中で私は泣いた。

どれだけ泣いても変わらない。
モヤモヤした気持ちは変わらない。

ーガチャ

玄関の開く音が聞こえ
私は慌てて涙を拭い立ち上がる。

ーガチャ

希「御曹司、おかえ...」

部屋に入って来た人は御曹司じゃなかった。
あの日、御曹司と一緒にいた人。

近くで見ると惨めになった。
綺麗な顔立ち。抜群のスタイル。
真っ黒いストレート髪がお似合いの
オシャレな大人の女性が立っていた。