望「何で俺に言わなかった?」
希「御曹司には関係ない話だから。」
望「無理して働いて過労で倒れて
俺に世話かけてたら
元も子もないだろ。」
希「本当にごめんなさい。」
望「いくら?」
分かってる。御曹司に頼めば
きっと助けてくれる。
御曹司に言えばこの言葉が
返ってくる事は分かってた。
希「私ね、好きなんだ。」
望「え?」
希「今のバイト先すごく好きなの。
温かくてさ、店長もお客さんも
私の事、家族みたいに思ってくれてて
心地良いんだ。お兄ちゃんとずっと
2人だったからさ、大家族が出来たみたいで
嬉しいんだ。もう迷惑はかけない。
部長の前で倒れたりしないから
だから、続けたいと思ってる。」
望「分かった。...でも...」
希「でも?」
望「頼れる所は俺に頼れ。
キツくなったらいつでも言え。」
優しい言葉をかけられる度に
助けてくれる度に
心配してくれる度に
分からなくなる。
御曹司は一体
私の事をどう思っているのだろう?



