辿り着いた先は動物園だった。
望「フラミンゴでも見に行くか。」
何気ない一言が嬉しい。
御曹司はちゃんと覚えててくれる。
私が言った事、全部、ちゃんと。
希「フラミンゴは最後だよ!
まずはこっちから。」
楽しくて嬉しくて
私は御曹司の手を引っ張る。
相変わらず御曹司はクールで
はしゃぐ私とは正反対で
でも、それでいいやと思った。
どう頑張ったって御曹司のようには
なれない。育った環境も趣味も
全然違うけど、楽しいと
思える事が大切だって。そう思った。
一通り楽しんだ私たちは
ベンチに座り売店で買った
ホットドッグを食べた。
新鮮だった。あの御曹司が
ファストフードを
食べてるなんておかしかった。
でも、恋人っぽくて良かった。
気取らない場所で
気取らない物を食べる
気取らない御曹司がいる。



