エスポワール~私と御曹司~


窓から差し込む太陽の
光で目が覚める。

驚いた。朝まで眠ったのは
いつぶりだろう。

私の右手はしっかりと
御曹司に握られていた。

私に必要だったのは
睡眠薬でも嫌な事を考えないように
無理して働く事でもない。
御曹司の温もりだったんだ。

私がそっと右手を離すと
御曹司は起き上がりノビをした。

希「ずっといてくれたんだ。」

望「出掛けるぞ。」

希「え?」

望「今日は会社サボってデートだ。」

本当に自由だな、この人は。

御曹司と一緒に病院を出ると
私たちは電車に飛び乗った。
行き先は分からない。
でも、ワクワクした。

今から、どんな楽しい事が
待ってるんだろうって。

電車を降りた御曹司は
今日も変わらずスタスタと前を歩く。