エスポワール~私と御曹司~


希「はぁ。」

馬鹿だな、私。
1人になると思い出してしまうのに。
先輩があんな人だったなんて...って
またつまらない事考えちゃうのに。
御曹司にここにいてって
言えば良かったのに。

希「私の...馬鹿...。
また今日も眠れないくせに。」

今更、こんな事言ったって遅いけど。

望「...本当......可愛げのない女。」

扉の向こうから聞こえる御曹司の声。
...何で、まだいるの?
今の...絶対聞いてたよね?

希「...何でいるの?」

望「毛布取りに行ってた。」

希「そっか。」

望「あんたが嫌なら俺はここで寝る。」

希「有り得ないよ。
御曹司が廊下で寝るなんて。
出来もしない事言わないでよ。」