「行くぞ」
そう言って、悠斗が歩き始めたから、私は急いで後を追った。
────保健室に入る。
悠斗は、手当してくれることもなく、ドアのそばに立っているだけだけど、久しぶりに近くにいる、と思うと嬉しい。
……この機会に聞いてみようかな。
どうして、悠斗は急に私を避けるようになったのか。
「悠斗、」
私は悠斗を呼んでみる。
「なに」
っ……
悠斗の声が冷たくて、聞くのを躊躇う。
でも、今聞かないと、聞く機会はない。
そう自分に言い聞かせ、私は口を開く。
「あ、あのさ、悠斗って私のこと嫌いなの……?」
よし。
ここで、悠斗は嫌いじゃない、って言うはずだ。まさか嫌われているなんてことはないよね……?
そこで、じゃあなんで私のこと避けるの?って言う。
完璧だ。
私は、言うことを決め、悠斗の言葉を待つ。

