すると……
「危ないっっ!!!」
え……?
私が上を向いた時には、もう遅かった。
私の顔に、思いっきりバスケットボールが当たった。
ガンッ
その勢いで、私の体は悠斗の方に傾く。
……倒れるっ!
私はギュッと目を瞑った。
でも、痛みは全くなかった。
悠斗が受け止めてくれたからだ。
「あ、ありがと」
私は、お礼を言ったけど、悠斗からは返事が返ってこない。
「悠斗くん!加奈のこと保健室に連れて行ってあげて……?なにかあったら心配だし……」
……え?
「……分かった」
「え……?沙良?」
私は、沙良に、少しは痛いけど、保健室に行くほどじゃないよ!、と目で訴えた。
でも、返ってきたのはウインク。
……。

