「じゃあ、今からグループに分けます。」
先生はそう言い、グループを作っていく。1グループ4人くらいだ。
近くにいる人同士でグループを作っているから、私と沙良は同じグループだと思う。
「……加奈、一緒のグループだよ!」
「うん!嬉しいね!沙良と一緒って安心する!」
「違うよ!私じゃなくて悠斗くんだよ!」
「え!?」
私は驚きと嬉しさで、鼓動が早くなる。
「はい、じゃあグループで適当に練習しておいて」
先生が言った、その一言を合図に、皆が動き出す。
今日は、いつもの先生が出張に行っているから、かなり自由なのだ。
「おっし、俺らのグループは……最高じゃねーか!」
そう言ってガッツポーズをしているのは、悠斗の親友で、沙良の彼氏でもある、加藤拓海。
「ほんとだ!最高じゃん!」
沙良も、少し興奮気味で言った。
「だよな!なあ沙良、今日空いてる?」
「空いてるよ!もちろん!」
……2人の会話が始まってしまった。こうなっては、誰も入り込めない。
どうしよ……よりによって私と悠斗が残されるなんて……
気まずくて、思わず下を向いた。

