「……なんかね、悠斗私のこと嫌いなんだって」
「……え?」
さっきのことを思い出すと、また悲しくなってきた。
さっきいっぱい泣いたのに、また涙が出てきそうになる。
「加奈……。もうあんなやつ放っておいて、彼氏でも作ったら?」
「え?」
「加奈を泣かせるなんて許せない!あんなやつなんてやめて、彼氏でも作っちゃえば嫉妬とかしてくれるかもしれないし!」
嫉妬……
私が今まで悠斗にずっとしてきたものだ。女の子にモテモテの悠斗に嫉妬。
「ね、今度合コンでも行かない?彼氏作っちゃえ!」
今は正直、悠斗のことしか考えられない。でも、彼氏を作ったら、変わるかもしれない。
「悠斗くんに嫉妬してもらおう大作戦だよ!ね?」
嫉妬……。悠斗が私に嫉妬なんて、ありえない。そう思うけど、嫉妬してもらえたらどんなに嬉しいか。
「加奈!行くよね?」
新しい世界を覗いてみるのもいいかもしれない。
「ん、じゃあ行こっかな。」

