二度目のキスの直前で彼の携帯が鳴った。

「・・もしもし・・」

「・・・・」

「もしもし?」

「・・あ、仕事中じゃなかった?ごめんね。いつくるのかなと思って・・」

「ああ、まだちょっと忙しいから、またあとからね・・」

「・・それと・・あたし今日仕事が延びちゃって遅くなりそうなの・・

悪いけどクリスマスは明日でもいいかな・・?」

「あ、そうなんだ。」

なんかほっとした彼の声。

涙が出そう・・

でも明るい声で言った。

「うん、ごめんね?きょうはどっかおいしいところで食事でも楽しんで。じゃあ、

もう仕事もどるから。」

電話の後、すごく悲しくなった・・なんであんなこと言ったのか・・

あたしってこどものときからそう。

ほしいものがあっても周りに遠慮しちゃう。

ちょっとでも邪魔が入るとすぐにひいてしまう。

彼と女の子がまた歩き出した。

どこへいくんだろう・・

仕事だなんてうそついて・・

私の足は彼らのあとに自然と向いていた。