クリスマスは大好き。町がきらめくから・・

でも、今年のクリスマスは最悪。事件が起きた。

夕方小雪のちらつく町の中を歩いていた私。

もうすぐ彼が家に来るから早く帰らなくちゃ・・

もう、こんな日まで仕事だなんてついてないわ。


高校生の若いカップルが仲良く二人乗りで追い越していく。

ふふ、私達にもあんな時期があったんだっけ・・

彼とは高校生のときからのつきあい。

もう3年目だけど、彼はいつもやさしくて私は幸せいっぱい・・


と、思っていた、、あのときまでは。

そう、彼は道路の向こう側で別の女の子と歩いていた。

うそ・・単なる友達よ、きっと。

でも手まで組んでる・・

ううん、会社の後輩よ、たぶん。


思わず道路を走って横切り、彼の後ろのほうに近づいていく。

「先輩!ここのお店おいしいのよ~」

ほら、やっぱり会社の後輩だわ。

「へえ~そうなんだ。じゃあまた今度こよう。」

「え~、またあ?いやん今日じゃだめなのお~?」

女の子は甘えた声。

彼の腕に自分の胸を押し付けるようにしてしがみつく。

もう、私の彼なのよ、はなれて!

「いやあ、ごめんね。きょうは用があるから・・」

それ、私のことよね、恋人と会うっていってよ・・

「あん、クリスマスなのに~帰さない、もお!」

彼に抱きつく女の子、でも彼もまんざらじゃなさそう・・

「こまったなあ、、どうしたら許してもらえるかな」

「じゃあキッスして!」

目を閉じて口を突き出すようにしている。

ばかじゃないのこの子。彼がこんなの相手にするわけないわ。

でも次の瞬間、彼は女の子に一瞬キスをした。

めまいがした。女の子は次のキスを求めて顔を近づけている。

心臓がどきどきしてる。

どうにかしなくちゃ。。

私は急いで携帯を鳴らした。