「あ、朝子ー‼︎ ‼︎‼︎
千田君、千田君がぁあ、
明日って言ったぁああぁーー!」

「うるっさいなぁ!知ってるよ!」

「な、なんでぇーー」

「あんたから何回も聞いたから!」

「うん、、そうだったねぇ、、」

「いつからそんな面倒くさい女になったお前は?」

「電話までして、、ごめん」

「それは、今更だね…
まぁ、良いけど…で?
5度目は何の要件ですか?」


「私って実はあんまり千田君と親しくなかったよねぇ」

「う、」『………ウゼェ‼︎』
今更それ言う??

「そんなことないよ!ちゃんと喋ってたじゃん」

「そんなに喋ったこと無い!
なんでそういう事言うの!
朝子はそんな薄っぺらいこと言わない子だと思ってたのに…‼︎‼︎
ちゃんと本当のこと言ってよ!」

…何だこいつは……

良いのか言って?
どうせ泣くだろてめぇ、あん?

言いませんよ、
優しい朝子ちゃんは
桃子ちゃん泣かしたり出来ません




「殺すぞ…」

「え…」





あっ、声に出てた…



もういっか!

「よく聞こえなかったんなら、もう一回言ってやろうか」

「い、いや…いいかなぁー

「殺すぞ」

「…」






この女黙りやがった…


言いたい事だけ言って
都合が悪くなると逃げる
そういうとこあるなぁーとは
思ってたけど…

「ちゃんと言わないと分からないなら"本当の事"言ってあげても良いよ」



「ちょっまっ…泣くから…やめ

「もう、泣け‼︎」
「実際、、
あんたと千田君は喋ってなくは無かったよ、グループでは。席が近い時期も長かったし、そりゃ普通に喋るわな。まぁ一般程度ですよ、グループですら。まして1対1…笑わせてくれるわ!体育祭の時少し喋ったぐらいだったんじゃない?それで調子に乗って、恋に恋して妄想重ねて、妄想に恋してたんじゃないの?そんなんで良く好きとか…

「ぐっ…ぐす…う……ゔぅぅうぅ…」
電話越しに桃子のすすり泣きが聞こえる

「ぐぇっぐ…ぎゅゔゔぁゔぅうあぁぁあぁぁ…ーーーー‼︎‼︎」

というか、嗚咽⁇

「ちょ、桃子⁉︎ 大丈夫‼︎⁇」
「あ、あんたあんま声出すと家の人心配するから…」



そこじゃないか…

昔から人を泣かせた記憶が多い
私は私なりに気を遣ってるつもりなんだけど、『好き勝手に生きてて良いよね』とか泣きながら言われて…

まぁ昔を一々引きずる気は無いけど
今だってここは言っとかなきゃならないと思ったから言った。
このままうじうじしてるのが良いとは思わないし、桃子が言うようにそれを薄っぺらい言葉で誤魔化したらそれはもう私じゃない。

でも、それは私の中の話だ。
こんなんで、桃子との関係ぶち壊されたくないし、私が言うと人よりキツく聞こえるらしいのも事実。

というか
私は桃子を励ましたかったはずなのだ
何をやってるんだ私は…
こんなくだらない事に熱くなって
桃子が熱くなってても、
落ち着いて聞いてあげるのが
私の役目だったかもしれない

やらかした…


うぐっうぐっと
こんな事を考えてる間にも桃子の嗚咽が、一定の間隔で聞こえる

『こいつ狙ってやってるんじゃねぇだろうな…』

いや、こんな千田君が聞いたらドン引きしそうな嗚咽を狙ってやってるとしたら…もはや尊敬の域だな

「ごめ…
私が謝りかけた時、
意外にも先に口を開いたのは
桃子だった。

「あ、ありがどぅう…朝子が言っことその通りだなぁって思っちゃったから…私泣いちゃったけどぉ…私の為を思って本当の気持ち言ってくれてるんだってぇ分かったがらぁ、だがらぁ…
ありがどゔぅ…」

なんだ、、この喋り方…


……キモッ!
いや万が一、真剣に話してるとしたら
桃子には申し訳ないけども


そもそも本当に桃子か?これ??
こんな女々しい生き物私知らないけど…



何?皆んな恋するとこうなるの?
女性ホルモン作る機関か何がが馬鹿になんの??作り過ぎだわ‼︎
気持ち悪っ

私にどうして欲しいんだ…
もはやアドバイスを求めるでもなく
謝らせたいでもなく
罵られて感謝しだしたからね
手に負えない

このどこに向かうでもない感じ
ただ聞いて欲しかったの みたいな
乙女か!いや乙女だけれども…
もっとこう応戦してこいよ!
私の知ってる桃子
帰ってきて!
もう無理…

てか、告白成功したら
ずっとこのモードの桃子
なんじゃないか…

うわーやめて欲しーー

千田君断れ!!

マジで桃子には申し訳ないけど…
私の桃子を 昨日までの
たまに憎たらしいけど
そこも可愛かった桃子を
返して!

「なんがぁ…朝子に聴いて貰っだらぁ
楽になっだぁ…」

「そ、そう…よかったわぁ」

「ごんな時間までぇ…話しでぇごべんねぇ…ゔぅ…、
もゔぅ寝るねぇ…お…おやずみぃ」

「う、うん…おやすみ……」

桃子、貴乃花親方のモノマネ
してるみたいになってるから
マジやめた方が良いよ…



カチャ