昼休み朝子が口を開く
「人を好きか嫌いか決めんのに
そんなに時間がかかるもんかねぇ?」

人に聞かれないためとはいえ、
中庭はちょっと暑かったなぁと思う

「いや、朝子はさっぱりしてるからアレだけど、一般の高校生からしたらその2つの間には凄まじい距離があると思うよ」

「なんか、女々しくない?」

「真面目なの‼︎」

「そうかねぇー」

「千田君もドキドキしてくれてるのかな」

「まぁそうでしょ」
「あんたも告られたら意識するでしょ?」

「経験ないから分かんないけど…、
多分、受けるにしろ、断るにしろ、凄いすると思う」

「男子なら尚更らしいよ。男子はある程度の範疇なら断らないっていうしね、試しに付き合ってみるみたいな」

「ゔっそんなん言って断られたら、あたし泣くよ!それに千田君はそんなことしないもん!」

「言わなくても泣くでしょ、あんたは笑」

「でも、ドキドキしてくれてるなら嬉しいなぁ。今日もね何回もすれ違ったんだよ!私が下向いちゃってさすがに目は合わなかったけど笑これから3日間も千田君の頭の真ん中にあたしがいられるなら、それだけでも幸せだなぁーって」

「桃子、可愛いね」

「……!何言ってんの⁉︎」

「いや、恋する乙女は可愛いなぁと思ってさ」
「あとは、千田君がどうやって返事をしてくるかよね」


「え?どーゆーこと?」

「あんたが直接じゃなく、手紙にしてあたしが渡す形式にしたんだから、あっちだって直接言いに来るとは限んないでしょ」

「あ、、そっか。
もう、あたしが指定した通りって訳じゃないんだもんね…」


あー嫌だな、
すっごい自分勝手だって分かってるけど、手紙の返事で終わったら嫌だな。友達に渡されて終わりじゃ泣けないな。
下駄箱で紙を見つけた時
凄いドキドキした
心臓のバクバクする音があんなに聞こえたことはなかった
もしかしたら、この紙で終わっちゃうかもしれないと思った。

今更分かってももう遅いけど、
きっと想いを伝えるっていうのは
ちゃんと目を見て口で話す事だったって私は思うよ

断る人にもその責任があるって思う
お願い千田君…

「弱気な事、考えてるでしょ?」

「…!」

「そう何回もあるイベントじゃないんだから、楽しみなよ!」

「でも、あたし…」

「あ、さっきのはあんたの渡しかたがダメだったて言ってるんじゃないからね」
「手紙で想いを伝える女子なんて天然記念物もんだし、『直接なんて渡せないっ!』っていうのも見様によっちゃあ可愛いし」
「結局どう伝えようが、いける時はいけるし、無理な時は無理。直接来る奴は来るし、来ない奴はそんだけの奴だったてことだよ。」

「ふふっやっぱり朝子は恐ろしいね」

「は?」

「…ごめんなさい」

キーンコーンカーンコーン

「結局あいつら来ないじゃん。
まぁあんたの話するには丁度良かったけど。」

「委員会だっけ?ご飯いつ食べるんだろうね」

「ね、かわいそう。じゃああたし移動教室だから、また」

「ん、ありがとね!またー」

総合学科といって、
うちの学校では同じクラスでも
違う授業に出ることがある

一人の廊下
あんな話をしたせいで
まだドキドキが止まない
授業
急がないと




「…宮本さん」

「⁉︎」

『せ、千田君…‼︎』
な、何が起こっているのだ…
ま、ま、まだ月曜日じゃないよ…??

「あ、あのさ、、

「う うん 」

「月曜日… 」

心臓が…限界……千田君はやく!!
や、、やっぱり待って‼︎

「…のことなんだけど
部活が7時位までになっちゃうから、

やっぱり月曜じゃだめだろ!ってなって、、

あ、明日、2時!あ、いや、、
じゅう…よじ?宮本さん言ってた

(あっ、名前…呼んでくれた)

孔子原公園で良いかな?」

「う、うん…だいじょうぶ 」

「良かった!じゃあ、、それで
時間ない時 引き止めてごめん!
宮本さんも急いで‼︎」

駆けていく千田君はあの朝の様で
遠い昔の様なあの朝は
実は昨日だったんだだなと
思い出した