私の知らない私の事を
郁人くんは知っている。
でも、もっともっと知って欲しい。
どんな私も知って欲しい。
翼「夢…とか。そんな大それた物
じゃないんだけどね。
今日、会社で働いててさ…
新卒採用されて、先の事なんて
何にも見えなくて、分からなくて…
1人で生きるのが怖いって思ってる
あの子達が、いずれ昔の私の事を知って
休憩室で話してる姿を思い浮かべてみたの。
上司と不倫して子会社に飛ばされて
若い男と結婚したけど子供に恵まれなくて
結局会社に戻ってきた、あの可哀想な
チーフがいるじゃん。でも案外
あの人、楽しそうだよって
そんな噂をして貰えたら、それって
私の生きた証になると思うの。」
そして、もっともっと
郁人くんの事を知りたいんだ。
翼「私のやりたい事は
みっともなくかっこよく
生きる事なの。」



