翼「違うよ。初めてだったよ。
武彦が私を選んでくれた初めての人。
間違ってはいないけど...
でも、郁人くんの言う通り。
私は今でも2番手だよ。」
郁人「だから、翼さんは
感情がない方がいいの?」
体を離した彼は私の隣の席に座ると
真っ直ぐに私の事を見つめた。
翼「だって、その方が楽でしょ?
無駄な嫉妬もしなくて済むし
理不尽な事があってもムカつかないし
感情なんてない方がずっといいよ。」
郁人「嬉しい、悲しい。
楽しい、つまらない。
幸せ、不幸せ。その感情を
知らずに生きるのって本当に楽かな?」
翼「楽だよ。」
こうして男の人と向き合って
話したのは初めての事かもしれない。
目と目が合わさるというよりは
言葉と言葉がぶつかり合うと
言った方が正しいのかもしれない。



