だけど、私のそんな願いも虚しく
私たちの時間に終わりを告げる
大嫌いな音が武彦のポケットから
聞こえてくる。
ープルルルル
ディスプレイを確認した武彦は
申し訳なさそうな顔をした。
武彦「悪い。」
今日もやっぱりお別れなんだ。
武彦の表情を見てそう悟った。
見えない電話の相手に
向かって微笑む武彦。
...そんな顔しないでよ、なんて
思っても言えない。
戻ってきた武彦はカバンの中から
ラッピングされた
小さな箱を取り出す。
武彦「悪い。俺、帰らなきゃ。
これ、誕生日プレゼント。
翼によく似合うと思う。
大切に使えよ!じゃあな。」
別れを惜しむことなく
お金を置いていった武彦は
足早に店を出て行った。
いつもの事なんだけど
今日くらい私を優先
させてくれてもいいのに。



