だがそれは、バーチャルリアリティという仮想現実に触れたことで起きた記憶の錯覚に違いない。

そう結論づけた西園寺洸は、話を仕事に切り替えた。

「今回は源に頼んで正解だったね。彼は見せかたが上手い」

「ええ、そう思います」

鈴木は頷きながら、チラリと隣に座る上司を見つめた。

彼が女性に興味を持つのは、もしかしたらはじめてのことではないかと思いながら……。