アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~

妹思いの碧斗が、平安時代に行ったアスカを心配しないはずはない。事あるごとに蒼絃から報告を受けていたに違いなかった。

そんな単純なことになぜもっと早く気づかなかったのだろうと、洸は自分に呆れた。

アラキの何気ない一言を聞くまでは、千年前の自分と蘭々が結婚していたという嘘か本当かわからない蒼絃にかけられた呪縛に、とらわれていた。

恐らくこれが、自分が毛嫌いしていた恋患いの症状なのだろうと思う。普段の冷静な精神状態なら考えるまでもなくわかることなのに。

――それでも、これもありだ。
そう思いながら、洸はフッと口元に笑みを浮かべた。

過去の自分が頭の隅で嘲笑う。
『大きな弱点を作ったな』と。

でも今の自分が反論する。
『弱点なんかじゃない。飛香は、生きる希望だ』と。

――飛香……。

やわらかくて今にも消えてしまいそうなこの宝を、決して手放したりはしない。
愛おしさで一杯になりながら洸は囁いた。

「飛香、ずっと一緒に生きていこう」


その声に導かれて飛香は涙で濡れた顔を上げる。

飛香を見下ろす愛する人の笑顔は、太陽のように明るい。

彼に恋をして、あきらめる以外の道を知った。

唇を重ねながら、飛香は思った。

覚えたての英語と共に

――アイラブ吾が君。

あなたを愛しています。


永遠に --fin--