四阿に着くと洸は懐から取り出した紙を敷いて「どうぞ」と飛香を促した。
「ありがとうございます」
そして自分も座ると、いたずらっぽく笑う。
「子供の頃からの僕の得意技、教えてあげようか?」
「――得意技、ですか?」
「泣こうと思った時に泣けること」
一体何を言い出すのかと驚いて、飛香は乾ききっていない目を丸くした。
「僕はなにより負けることが嫌いでね。勝つためなら涙も流す。すごいだろ?
競争しようか」
洸はそう言うと目をつぶり、右手を額に当てて苦悶の表情をする。
それからほんの数秒後、瞼を上げて飛香を見つめた時には、宣言通りはらりと涙が頬を伝った。
「すごい!」
「ほら、飛香もがんばって」
「ええー?」
思わず笑い出した飛香の瞳から、涙が零れた。
「ありがとうございます」
そして自分も座ると、いたずらっぽく笑う。
「子供の頃からの僕の得意技、教えてあげようか?」
「――得意技、ですか?」
「泣こうと思った時に泣けること」
一体何を言い出すのかと驚いて、飛香は乾ききっていない目を丸くした。
「僕はなにより負けることが嫌いでね。勝つためなら涙も流す。すごいだろ?
競争しようか」
洸はそう言うと目をつぶり、右手を額に当てて苦悶の表情をする。
それからほんの数秒後、瞼を上げて飛香を見つめた時には、宣言通りはらりと涙が頬を伝った。
「すごい!」
「ほら、飛香もがんばって」
「ええー?」
思わず笑い出した飛香の瞳から、涙が零れた。



