「いいのいいの。オークションは終わったし、このまま外歩いてたら熱中症で倒れちゃう」
冷房の効いた屋内ならまだしも、一歩外に出るとさすがに暑い。
笠を手に持つと生ぬるい風が頬を伝ったが、それでも布から解放されて幾分清々しく感じた。
あらためて洸を見上げた飛香は、またドキリとする。
マスクを取った彼は、何度見ても頭中将そのままで、自分がいる場所がどっちの世界なのかわからなくなるほどだ。
扇子替わりに笏(しゃく)でパタパタと仰ぎ、廊下を進みながら「懐かしいな」と洸が言う。
「洸さんが通っていたころと、変わりありませんか?」
「うん。大きくは変わっていないね」
「そうですか」
ということは、“飛香”がここに通った頃とも変わらないのだろう。
冷房の効いた屋内ならまだしも、一歩外に出るとさすがに暑い。
笠を手に持つと生ぬるい風が頬を伝ったが、それでも布から解放されて幾分清々しく感じた。
あらためて洸を見上げた飛香は、またドキリとする。
マスクを取った彼は、何度見ても頭中将そのままで、自分がいる場所がどっちの世界なのかわからなくなるほどだ。
扇子替わりに笏(しゃく)でパタパタと仰ぎ、廊下を進みながら「懐かしいな」と洸が言う。
「洸さんが通っていたころと、変わりありませんか?」
「うん。大きくは変わっていないね」
「そうですか」
ということは、“飛香”がここに通った頃とも変わらないのだろう。



