「音がでるほど?」
「はい。失礼ですよね、その人にも私にも」
「なんなんだ?それは。あいつの言うことは相変わらず意味不明だな」
クスクスと笑いながら飛香は思った。兄の言うとおりかもしれないと。
記憶喪失を無条件に信じて、余計な詮索もしない。ただ毎日が平和に過ごせれば満足してくれそうな、そんな人なら秘密を明かす必要もないだろう。
平安の都の思い出を胸に隠したまま、穏やかなで幸せに暮らせるのかもしれない。
でも、勘のいい人はだめだ。
――たとえば……。
隣をちらりと見上げて思った。
少なくともこの人のように鋭い人には、秘密を隠し通せないだろう。
正直に話すという手もある。だが普通に考えて信じるだろうか。
「はい。失礼ですよね、その人にも私にも」
「なんなんだ?それは。あいつの言うことは相変わらず意味不明だな」
クスクスと笑いながら飛香は思った。兄の言うとおりかもしれないと。
記憶喪失を無条件に信じて、余計な詮索もしない。ただ毎日が平和に過ごせれば満足してくれそうな、そんな人なら秘密を明かす必要もないだろう。
平安の都の思い出を胸に隠したまま、穏やかなで幸せに暮らせるのかもしれない。
でも、勘のいい人はだめだ。
――たとえば……。
隣をちらりと見上げて思った。
少なくともこの人のように鋭い人には、秘密を隠し通せないだろう。
正直に話すという手もある。だが普通に考えて信じるだろうか。



