アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~

「え、そうなの? 姫というと、かぐや姫くらいしか知らないな」

クスッと飛香が笑う。
「シンデレラのように継母にいじめられて、落ち窪んだ畳の上で裁縫を押しつけられていた姫のお話なんですよ」

「それで? 王子さまみたいな公達が現れるの?」

「はい、そうです。洸さんのように素敵な左近の少将という公達が現れて、姫を助けだし、ふたりは幸せになるんです」

「へえ~、世界中女の子が好きな話は一緒なんだな」

「ええ、古今東西一緒なんですね」

「そして飛香もそんな風に、素敵な公達が迎えにきてくれることを待ってるわけだ」

「はい。そういうことです」

クスクスと笑いながらそう答えた飛香だが、実はそんなことはもうとっくにあきらめていた。
あれほど夢見た荘園の君は他の姫を迎えたし、それに……。