アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~

「ありがとうございます」

鏡の前で垂れ布をそっと開いた飛香は、自分の首元を覗き込んだ。

桜のような花びらが三つかたどられているチャームは小さめで、控えめでありながらとても可愛らしい。

ひと目で気に入った飛香は、「どうですか?」と洸を振り返る。

どれどれと、垂れ布を指先で持ち覗き込んだ洸は、飛香の首のネックレスを見て微笑んだ後、次の瞬間時が止まったようにハッと息を呑んだ。

ほんのりとピンク色をしたシルクオーガンジーの垂れ布。

その薄い布に遮断されたその空間にあるものは、飛香の微笑みだけだった。

それだけだ。

何を疑うわけでもなく、何かを考えるわけでもなく、ただ純粋に見つめ返す黒く美しい瞳。

ふいに吸い込まれそうな錯覚を覚えた洸は、慌てたように瞬きをした。