彼女たちが数メートル離れた場所で楽しそうに話をしているのを確認すると、安心したように聞く。
「面識があるのですか? 飛香さんと」
「昔な、不良に絡まれているところを助けたことがある」
「え?」
「名前も聞かなかったし、すっかり忘れていた。思い出したのはついこの前のパーティだ。あの子が碧斗の妹だと知ったのもその時だけどな」
「そうでしたか」
「かわいそうにひどく怯えていたから、大通りまで一緒に歩いてタクシーに乗るところまで付いて行ってあげた。俺のなりも不良と変わりなかったし、あの子も俺のことなんか覚えちゃいないだろうけどな」
そしてフッと笑った燎は、『ただなんとなく、印象に残る子だったよ』とポツリと言った。
ここ青扇学園に通っていた頃の燎は、当時生徒会長だった鈴木から見ても品行方正な学生とは言えなかった。
それでも背が高く整った顔をしている彼だ。
普通に考えれば、その事件は素敵なヒーローとして心に深く刻まれたことだろう。
だが、彼女は記憶喪失である。
その出来事の記憶は残っているのか? それとも忘れられたのか、それは鈴木にはわからない。
飛香の記憶には触れず、「やはり、あなたはただの不良ではなかったわけですね」と感心したように言って、鈴木はクスッと笑った。
「面識があるのですか? 飛香さんと」
「昔な、不良に絡まれているところを助けたことがある」
「え?」
「名前も聞かなかったし、すっかり忘れていた。思い出したのはついこの前のパーティだ。あの子が碧斗の妹だと知ったのもその時だけどな」
「そうでしたか」
「かわいそうにひどく怯えていたから、大通りまで一緒に歩いてタクシーに乗るところまで付いて行ってあげた。俺のなりも不良と変わりなかったし、あの子も俺のことなんか覚えちゃいないだろうけどな」
そしてフッと笑った燎は、『ただなんとなく、印象に残る子だったよ』とポツリと言った。
ここ青扇学園に通っていた頃の燎は、当時生徒会長だった鈴木から見ても品行方正な学生とは言えなかった。
それでも背が高く整った顔をしている彼だ。
普通に考えれば、その事件は素敵なヒーローとして心に深く刻まれたことだろう。
だが、彼女は記憶喪失である。
その出来事の記憶は残っているのか? それとも忘れられたのか、それは鈴木にはわからない。
飛香の記憶には触れず、「やはり、あなたはただの不良ではなかったわけですね」と感心したように言って、鈴木はクスッと笑った。



