アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~

――大丈夫、大丈夫よ。

そう思っているうちにハッと気づいた。

市女笠の垂れ布が、動揺している間の一部始終を隠してくれている。
その証拠に、そっと周りを見渡してみたが、自分を見ている人はひとりもいなかった。

今更ながらそのことに気づいた飛香は、少しずつ落ち着きを取り戻した。

薄い布にそっと触れて感謝した。賑やかな会場の中でこうして独りポツンとしていても、この布が守ってくれる。

――よかった。仮装パーティで。

飛香はそっと、胸を撫でおろした。