アイラブ☆吾が君 ~恋する淑女は、十二単で夢を舞う~

「実はもう、仮装用の衣装もおふたり分用意してあります」

「――僕は一体、何者にされるわけ?」

「それは明日のお楽しみ。まぁ間違いなくお似合いになりますからご安心ください」

そう言ってアラキはクスクスと笑った。
洸は軽く眉をひそめてアラキを睨んだが、どんな仮装かはさほど興味がないらしい。それ以上はなにも聞かなかった。

「飛香さん、いいお嬢さんですね」

「ああ、そうだね。いい子には違いない。碧斗が溺愛するのもわかるよ」

「琴と琵琶を弾かれるとか」

「あぁ、あれは凄いね、あの子の舞も人の心を掴むけど、あの琴の音はいい」

「ほぉ、それは楽しみです。あと一週間はいらっしゃるそうですから、聞かせて頂く機会もあるでしょう」

――あと一週間?
そうか、飛香がいるのはあと一週間なのか……。

そう思ったほんの一瞬、心に冷たい風が吹き抜けたような気がしたが、洸はすぐにその風を振り切った。