しばらくすると雨が降り出し
遠くの方から響くヒールの音が聞こえた。
李人「スズ!!」
もしかすると恋人と一緒に
帰ってきてるのかもしれないのに
俺はそんな事、微塵も考えなくて
スズが泣いているとしか思えなかった。
ポケットにブレスレットを忍ばせ
傘を2本持ち、近付く足音を
スズの家の前で待ち続けた。
俺の事を見つけた涙目のスズは
小さな声で何で...と言った。
李人「電話......してくれれば
良かったのに。」
涼美「何で私がリトに
電話しなきゃならないのさ。」
持っていた傘をスズに手渡し
ポケットから小さな箱を取り出す。



