僅か30センチの恋


何気ない言葉が嬉しくて苦しい。

いくら周りを俺で囲んでも
肝心のスズは手に入らない。
これみよがしに身の回りのものばかり
プレゼントする俺は気持ち悪いだろうか。

李人「あのさ、スズ...」

涼美「ごめん、ケンちゃんから電話だ。
おやすみ。リト。」

李人「うん、おやすみ。」

ーガラガラ

涼美「もしもし、ケンちゃん。
え?...うん。」

何度、味わっただろうか。
この空虚感を。

何度、傷付いただろうか。
スズの何気ない一言に。