家に帰った俺は真っ先に
ベランダを確認する。
いつの間にかそれが日課になっていた。

ーガラガラ

李人「スズ。」

スマホをボーッと眺めていた
スズは俺の顔を見ると
ニッコリと笑った。

涼美「リト、おかえり。
遅かったんだね。」

李人「ああ、聖夜と飲みに行ってた。」

涼美「そっか。」

俺と話す時は笑顔のスズだけど
スマホを眺めるその顔はやっぱり
どことなく元気がない。

李人「考えたのか?」

涼美「何が?」

李人「誕生日プレゼント。」

涼美「ケンちゃんにはもう頼んだよ。
ほら、この間雑誌に載ってた
ブレスレット可愛いって言ったじゃん。
あれ、おねだりしちゃった。」