李人「スズに言われたんだ。
色んな人の味方になって欲しいって。
俺はスズの理想の男になろうと
してるだけだ。出世すれば
必ずスズも喜んでくれる。」

聖夜は一口もビールを飲む事なく
財布を取り出し1000円札を置く。

聖夜「あっそ。じゃあせいぜい
頑張れよ。偉くなったら飯でも奢ってくれ。」

明らかに不機嫌な聖夜の
態度さえ何も気にならなかった。

だって、聖夜と俺とでは元々の
志が違うから。総務部にいる
聖夜には分からないだろう。
今の俺のこの気持ちが。

でも、分かってないのは
俺の方だった。

その時は気付かなかった。
心の片隅で聖夜の事を見下す
嫌な奴になってる事に。