僅か30センチの恋


萱島「木山さん。よろしければ
一緒にお昼いかがですか?」

李人「いえ、でも...」

萱島「何時間も待って頂いたんです。
話しがてら食べましょう。」

李人「では、頂きます。」

病院の奥に続く、自宅に
入ったのは初めての事だった。

奥さんはそうめんを食卓に
置くとリビングへと行った。

萱島「妻に聞きました。
昨日は、木山さんにご迷惑を
おかけしたみたいで...申し訳ない。」

李人「いえ。」

萱島「この歳になるとダメですね。
酒を飲むとすぐに弱音を吐いてしまう。
もう若くはないのだと感じる日々です。
それで、お話と言うのは?」