「聞きました?
柏木さん所のご主人、肺炎ですって。」
「あら、怖いわね。
1度、私も萱島先生に相談しようかしら。」
「ねぇ、ママ。まだ待つの?」
「仕方ないでしょ。
萱島先生はお忙しいの。
待つ事も大切なのよ。」
様々な声。信頼の声。
やっぱりここを無くしてはならない。
俺に出来る事なんて
たかが知れてるけど、少しでも
力になれる事があるのなら
どんな事でもしよう。
待合室から徐々に患者さんが
減っていく。ピークの時間を
過ぎたのはちょうどお昼過ぎだった。
診察室に通され、診察をしてくれた
萱島先生はいくつかの薬を出してくれた。



