どれだけ違うと思っていても
どれだけ助けたいと思っていても
所詮、俺はただの会社員。

萱島さんに事実を伝える他ない。

俺が頭を下げると
萱島さんは泣いていた。
入社して初めて俺は
仕事を辞めたいと思った。

持ち前のネガティブ思考が
邪魔をして、何もかも上手くいかないなら
仕事を辞めてスズの事も忘れられる
知らない土地へ行こうかとさえ考え始めた。

そんな時、頼れる人は1人しかいない。

あの日以来、顔を合わせる事は
なかったけど、電話をかけると
行くよと言ってくれた。