多田「違うの。彼はね、彼女の事を
傷付けたくないからそんな事はしないって
言ってたんだけど、私が無理矢理
彼女役を申し出たの。」

何て彼女は馬鹿正直な人なんだろう。
あえてそんな事言う必要ないのに。

李人「...多田さん、そんな事...」

多田「翔吾に嫉妬して欲しかったから。
彼氏が出来たって言ったら
翔吾はどう思うのか知りたくて
試したくなっちゃったの。
だから、彼は悪くない。
私が彼を利用したの。」

翔吾「そっか。」

多田「彼との関係は嘘だけど
翔吾への気持ちは本物だから。」

俺はもう見守る事しか出来なかった。

翔吾「木山さん。」

李人「はい。」

翔吾「唯香のワガママに付き合ってくれて
ありがとうございます。
あなたにも迷惑かけましたね。」

李人「いえ、そんな...」