***
お得意先で謝罪をすませ、夕方ごろに帰社した私はぐったりと席についた。
「品田さん、お疲れ様です。チョコ食べます?」
向かいの席の島崎くんが私の惨状を察して、包みに入った可愛いチョコをくれた。
「ありがとう~…。あ、これは!今OLに人気と噂の『CUREチョコ・ティラミスショコラ味』…!」
「春夏限定!売り切れ店舗続出のレアモノですよ?僕は運よくコンビニで買えたんですけど…。疲れてるOL、まさに今の品田さんのためにあるようなチョコなんで、ぜひ食べてください」
「遥、お疲れ。私からは飴ちゃん。味は色々だけど、さくらんぼ味が春限定のやつだから特にじっくりと味わうように」
隣の席の石田先輩はフルーツ味の飴をバラバラと私のデスクに投げ入れる。
「二人とも、本当にありがとう…」
私のデスクはあっという間にお菓子だらけになった。
課長に叱られてばかりの私だけど、救いがあるとすれば同じ部で年の近いこの二人が私に良くしてくれることだ。
困ったときは助けてくれたり相談に乗ってくれたりするし、何よりこうしてお菓子をたくさん恵んでくれるのだ。
「我ながらどんくさいとは思ってたけどまさかここまでとは…」
そういえば、バタバタしていて昼ごはんも食べ損ねた。腹がぐぅぐぅと鳴っている。
「そう落ち込まないの。誰だってついてない日はあるよ。お得意先は許してくれたし、ぶつかりかけた相手も大したケガじゃなさそうなんでしょ?」と、私の肩をポンポン叩きながら石田先輩が言う。
「うーん、まぁスタスタと普通に歩いて去っていったけど…。今日病院に行ってるだろうから、結果を聞かなきゃ」
「相手が怖い人じゃないといいけどね。どんな人だったの?」
「ん…私よりちょっとだけ年上かなってぐらいの、長身の男の人でした」
「!」
「勤務先はワタナベ食品」と言うと、石田先輩が目を丸くした。
「超大手メーカーじゃん!なんだ!うらやましい!」
お得意先で謝罪をすませ、夕方ごろに帰社した私はぐったりと席についた。
「品田さん、お疲れ様です。チョコ食べます?」
向かいの席の島崎くんが私の惨状を察して、包みに入った可愛いチョコをくれた。
「ありがとう~…。あ、これは!今OLに人気と噂の『CUREチョコ・ティラミスショコラ味』…!」
「春夏限定!売り切れ店舗続出のレアモノですよ?僕は運よくコンビニで買えたんですけど…。疲れてるOL、まさに今の品田さんのためにあるようなチョコなんで、ぜひ食べてください」
「遥、お疲れ。私からは飴ちゃん。味は色々だけど、さくらんぼ味が春限定のやつだから特にじっくりと味わうように」
隣の席の石田先輩はフルーツ味の飴をバラバラと私のデスクに投げ入れる。
「二人とも、本当にありがとう…」
私のデスクはあっという間にお菓子だらけになった。
課長に叱られてばかりの私だけど、救いがあるとすれば同じ部で年の近いこの二人が私に良くしてくれることだ。
困ったときは助けてくれたり相談に乗ってくれたりするし、何よりこうしてお菓子をたくさん恵んでくれるのだ。
「我ながらどんくさいとは思ってたけどまさかここまでとは…」
そういえば、バタバタしていて昼ごはんも食べ損ねた。腹がぐぅぐぅと鳴っている。
「そう落ち込まないの。誰だってついてない日はあるよ。お得意先は許してくれたし、ぶつかりかけた相手も大したケガじゃなさそうなんでしょ?」と、私の肩をポンポン叩きながら石田先輩が言う。
「うーん、まぁスタスタと普通に歩いて去っていったけど…。今日病院に行ってるだろうから、結果を聞かなきゃ」
「相手が怖い人じゃないといいけどね。どんな人だったの?」
「ん…私よりちょっとだけ年上かなってぐらいの、長身の男の人でした」
「!」
「勤務先はワタナベ食品」と言うと、石田先輩が目を丸くした。
「超大手メーカーじゃん!なんだ!うらやましい!」
