「ねぇ、聞いてる?」

えっ!!

自分の世界に入ってて……聞いてなかった。

「明日、時間が取れそうなんだけど……樹のマンションに泊まりに行ける?
ただし、ムリはしちゃダメだよ。
都合がついたらね。
鍵は持ってるから………自分で入るから出ないでね。
バレると困るから。」

明日………先生じゃない先生に逢える。

「はい。
はぁちゃんや樹先生も一緒ですか?」

四人分のメニューを浮かべていたら………

「一緒がいい?
緊張するなら呼ぶけど。」って。

「いえっ!大丈夫です。」

「せっかく二人でいられるのに……お邪魔虫を呼ばなくていいでしょ?」

先生も二人でいたいって……思ってくれるんだぁ。

「あの、夕ごはん………何かリクエストはないですか?」

あの後夜祭の次の日から、お姉ちゃんに本格的に料理を習っている。

それまでは、いつか食べてもらえたらいいなぁ~って……

夢物語だったけど……

これからは……『ホントにそんな日がくるかもしれない』って思ったから。

明日、ホントにそんな日が………くるんだぁ。