自分だけ逃げるなんて卑怯だっ。




元はと言えば、アタシのせいかもしれないけど…。




「あっ、そうだ。理仁君、助けてくれてありがとねっ。」




ニコッと微笑むと、優しい笑みで返してくれる。




「気にしなくていいよ。思った以上に、騒ぎになっちゃったし。」




そんな時、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。




「あっ、アタシ教室戻るね。瑠衣君にもよろしく伝えておいてっ。」


「分かったよ。またね、乙羽ちゃん。」




後に先ほどの出来事が、


女の子達の間で昼休みの乱と呼ばれ、


暫く話題になったことは言うまでもない。