「…ぷっ、はは。だってさ、瑠衣?どうする?」




堪えきれなくなった笑みを零す理仁君は、


隣でムスッとした様子の瑠衣君を笑っていた。




「瑠衣、これ計算外だったんじゃない?」


「…うるさい。」




2人共、なに話してるんだろう。


ここからじゃ小声で全然聞こえないけど。




「帰る。」




瑠衣君はフンッと顔を背け、坂を下って行った。


そしてそれを追う理仁君。




アタシは小さくなる後ろ姿に叫んだ。




「絶対絶対落とすからっ!覚悟しててよねっ!」




アタシの声が届いたのかは分からない。




瑠衣君達は変わらず歩き、そのまま見えなくなってしまった。