好きって言わなきゃヤダ。【完】

瑠衣君は少し気まずそうに


自分の前髪を指先で遊んでいた。




「ウソだ!絶対ウソ!だってアタシみたいなタイプは嫌いだって…。」




すると瑠衣君は更に気まずそうに


髪をポリポリと掻いていた。




「それは、昔の話じゃん。しかも出会った頃の。」




「そうだけど…じゃあ前に、那央が瑠衣君に聞いた時、アタシのこと好きじゃないって言ってたじゃん!」




今度は呆れたようにため息を零すと口を開く。




「…嫌いとは言ってないじゃん。」




たっ、確かにそうかもしれないけど…!




「じゃ、じゃあ…!」




再びアタシがなにか言おうとすると、


少し強引に腕を引かれ、アゴを掴まれる。




そして…




「グダグダうるさいんだよ。」




瑠衣君の唇がアタシの唇と重なったのだった。