そんなこと口にしたって会えるわけないのに。




…さっさと諦めて帰らないと。




1歩を踏み出そうとしたところで、


聞こえるはずのない声が聞こえたのだ。




「また勝手なこと言ってるし。」




「…えっ…?」




咄嗟に声のする方へと振り向く。




すると、階段の上。




初めて会った時と同じように、


瑠衣君がアタシのことを見下ろしていた。




いつもみたいに何を考えてるのか分からない表情で


ジッとアタシのことを見つめていた。




「る、瑠衣君…!?」




アタシは驚きを隠せず、目をパチパチとさせる。