好きって言わなきゃヤダ。【完】

な、なんで五十鈴が…?




驚いて目をパチパチするだけのアタシに


ようやく五十鈴が口を開く。




「…乙羽、走るの速すぎだから。」


「えっ…あ、ごめん。」




もしかしてアタシのこと、追いかけてきたの?


…でも、どうして…?




「五十鈴、どうしたの?その…ここ、学校だけど、いいの?」


「うん、もういい。麻里達とは縁切ったから。」




なんとも明るく軽い調子で衝撃的な発言をする五十鈴。




「えっ!?な、なんで?」


「大したことじゃないよ。最近の乙羽は変わったのに、それを認めようともしないで、あることないことで悪口言いたい放題にしてたから、ムカついて一発殴ったのよ。そしたら、私とは絶交だってさ。」




五十鈴があまりにも可笑しそうに、楽しそうに話す姿を見て、


アタシもつられるように大きな笑い声をあげていた。