「…やっぱり、乙羽の胸の中には瑠衣君がいるんだね。」




「うん…。アタシ、瑠衣君が好きなの。那央のことも、勿論好きだけど…でも、瑠衣君の好きとは違う…。アタシには、瑠衣君しか考えられないの。」




ゆっくりと顔を上げ、少し自嘲地味に話す。




「那央はすごくいい人だし、本当に優しくて頼りになって、こんな素敵な人、他にはいないことだって分かってる。だけど、瑠衣君も那央とは違う優しさを持ってて、不器用な姿に、そばにいたいって思っちゃうんだ。…たとえ、瑠衣君がアタシのことを好きじゃなくても、アタシはそばにいたい。ずっと瑠衣君のことを好きでいたいの。」




やっぱり、アタシは…


瑠衣君以外の人は考えられない。




ごめん、那央。




那央を傷つけるようなことになって…。