「…那央。どうして、アタシをここに?」




そう問いかけると、


那央は漕いでいた足を止める。




「今日はね、この場所で、どうしても乙羽に伝えたいことがあったんだ。」




「アタシに伝えたいこと?」




聞き返すと那央は、ニッコリと頷く。




アタシに伝えたいことってなんだろう…。




首を傾げていると、那央はブランコから立ち上がり、


アタシの目の前へやってくると、地面に膝をついた。




「な、那央?」




那央と視線の高さが同じになり、


その目は真っすぐにアタシへと向けられる。