「…まっ、別にいいけどね!これから好きになる予定だから。」


「また勝手なこと言ってるし。…ていうか俺、病人ってこと覚えてる?ホント、しんどいから、もう帰るよ。」




そうだった…!


色んなことがあって病人だって忘れてた…。




「瑠衣君、やっぱりアタシ送るよっ!1人で帰るのは危ないよ!」


「だから、大丈夫って言ってるじゃん。乙羽…俺、男だよ?そんなにやわな身体してないから。」




瑠衣君は再びマスクをつけると


ケホケホと苦しそうな咳を漏らしていた。




そ、そうかもしれないけど…。




「南谷。」


「ん?」


「…1人で帰すの心配だから、乙羽のこと頼んだよ。」




えっ…いま、心配って…。




瑠衣君の言葉に目を丸くさせる。