どれだけ訴えてみても


瑠衣君はフンッと機嫌を損ねたままだった。




なんで、瑠衣君が怒ってるんだか…。




怒りたいのはアタシのほうなんだけど！？




「乙羽から瑠衣君のことが好きだって聞いた時は、なんとなく、乙羽のことだから、もう告白したんだろうなって思ったよ。」


「えっ、そうなの？」


「うん。乙羽のことはなんでも知ってるから。」




最後の言葉が少しだけ力強く感じたのは


アタシの気のせいだろうか。




那央は瑠衣君の目の前へ立つと


いつもの穏やかな口調で口を開く。




「瑠衣君は乙羽のこと、どう思ってるの？」




「……那央っ！？」