好きって言わなきゃヤダ。【完】

北風よりも冷たい視線が突き刺さる。




心底ドン引きしているのが伺える。




ここまで引かれると…うん。


なんか、ごめんなさいって気持ちになるよね…。




一瞬でも照れた自分が恥ずかしい。




すると遠くの方で、ウチの高校の男子生徒の姿が。




「なあ、あそこにいるのって乙羽ちゃんだよな?」


「うわ~寒がる姿も可愛い♪」


「俺、丁度カイロ持ってるし渡してあげよっかな♪」




なんて話し声が微かに聞こえる。




カイロ…欲しい…欲しいよ、カイロ。




寒さに震え切っていたアタシにとって


カイロというフレーズにとても魅力を感じる。