好きって言わなきゃヤダ。【完】

ただ正直、心のどこかで、


ちょっぴり喜ぶアタシがいた。




だって瑠衣君と居られる口実が出来たんだよっ。




なにか口実がない限り、


瑠衣君がアタシに付き合ってくれるはずないし…。




嬉しくないわけがないじゃんっ。




思わずニヤケそうになる口元にグッと力を込め、


それを悟られないようにする。




「てゆーかそれ、別に俺たちに言わなくても、他の男に頼めばいいじゃん。乙羽になら、みんな喜んで協力してくれるでしょ。」


「そっ、そーかもしれないけどっ!それは…ヤダ…。」




瑠衣君の心無い台詞に少し、ムッとした気持ちを覚える。




嫌がられることは目に見えてたけどね。


でも…こんなチャンス、逃すわけにはいかないっ。




「なんで、嫌なの?」